フアランポーン駅で写真を撮る話

2015年4月、Facebookに投稿した記事に加筆、訂正したものです。

第1話

タイ国鉄の中枢駅、フアランポーン駅(Hua Lampong)です。
写真は2014年の夏、撮影したものです。“フアランポーン”は通称名で、大阪で言うならば、梅田というところでしょうか。正式にはクルンテープ駅といいます。しかし、列車の英語行き先表示ではバンコクと表記されています。ややこしい! (詳しくはwikiで...)
タイ国鉄随一の規模の駅で、いつ訪れても何本かの列車が止まっており、入れ替えの機関車が行ったり来たり。ホームでは寝台車や食堂車の資材の積み下ろし、車両の給水と洗浄など作業が活発に行われています。
 
もし、この駅を訪れた時にカメラを持っていたら、あまりにも撮るべきモノが多すぎて、
「ああ、3日くらいこの駅に張り付きたい!」
と思うに違いありません。
駅での滞在時間が全然足りない!、そんな時のためにフアランポーン駅での撮影のポイントを考えてみました。
 
この駅を初めて訪れる場合には、まず駅を撮っておくべき事は言うまでもありません。外に出て、駅舎の外観を撮り、コンコースとプラットホームの全景は押さえておきたいところです。この駅舎はタイの高速鉄道計画や市内の渋滞緩和政策の渦中にあって、早ければ数年のうちに現在の駅風景が見られなくなるかもしれません。
 
駅の写真を撮り終えたらいよいよホームでタイ国鉄の車両群の撮影に取り掛かるわけですが...
字数も押してきましたので、それは次回の講釈にて。

第2話

【フアランポーン駅で何を撮るか】の話の続きです。
 
まず、機関車。
これを外す訳にはいきません。何と言っても列車の顔。そのメカメカしい重厚感に圧倒されます。では、同時に何種類もの機関車に出くわしたとき、優先すべきは...
ズバリ、GE型機関車だと思われます。運転席の3枚窓が個性的なこの機関車は、製造が1960年代中頃ですので、現役50年選手の古株です(他にもタイ国鉄にはHE型、KP型、DA500型などの絶滅危惧種の機関車がありますが残念ながらフアランポーン駅で見かけることは無さそうです)。
タイ国鉄のディーゼル機関車は新塗色化が進行中で、GE型も窓周りが黒色で銀帯を巻いたものはモダンな雰囲気に仕上がっていて格好良いものです。
しかしながら、今のうちに撮っておかなければならないという優先度では、旧塗色の、前面が真っ黄色のGE型をお勧めします。
ちなみに、タイ国鉄の機関車の車体ナンバーは、形式をまたいでの通しナンバーが振られていて、GE型は4001〜、次の世代のアルストム型は4101〜という具合です。
概ね、車番が若い=製造が古い≒廃車が早い=撮影し記録に残す優先度が高い、という見方ができるかと思われます。
 
GE型機関車(新塗色)
GE型機関車(新塗色)

タイ国鉄らしい風貌のGE型。

性能は日本の機関車で例えるならDE10クラスか。

前面が1色なので、何となくヌボーッとした印象は否めないが...

■ 4004号機はGE型50周年記念のロゴとタイ国鉄エンブレムが追加されている。要チェック。


GE型を押さえてひと安心したら、次はタイ国鉄の主力機、アルストム4兄弟(ALS型、AHK型、ALD型、ADD型)やHID型、GEA型も忘れずに撮っておきましょう。
さて、いよいよ、タイ国鉄の主力にしてレア車の宝庫、客車の話なのですが...
 
字数も押してきましたので、それは次回の講釈にて。

 

アルストム型機関車(旧塗色)
アルストム型機関車(旧塗色)

ADD.4420

アルストム型。
旧塗色車は優先して撮っておくべし。

第3話

【フアランポーン駅で写真を撮る】話の続きです。
 
時間帯にもよりますが、例えば、ズラリと並んだプラットホームに、南本線、北本線、東北本線の列車がそれぞれ1本ずつと、近郊各駅停車が入線していると仮定すると、合計50〜60両くらいの車両と対面するはずです。そして、一瞥しただけで、そのあまりの種類とバリエーションの豊富さに目眩がすることでしょう。
入り口正面からの光景
入り口正面からの光景
ドームの外にもプラットホームがあり、興味深い留置車両が多数。


まず、お勧めの被写体は、荷物車と食堂車です。荷物車や食堂車はドアや窓配置、屋根上や床下の機器類の配置が独特で、写真の資料的価値は高いと言えるでしょう。
荷物車は常に、機関車の次か、2両目に連結されています。そして、機関車と荷物車の間に1両だけ座席車が挟まれている場合には、この車両も撮っておくべきです。用途は、これも荷物や資材の積載のようですが、客を乗せないこの座席車は、とりわけ古い車両が使われているケースが多いようで、撮っておいて損はありません。
BFV.1015
荷物・三等座席合造車(BTV.)も要チェック。


食堂車は長距離列車の編成の中間あたりに連結されています。
食堂車も荷物車同様、車両自体の構造やバリエーションに面白さがあるのですが、それに加えて、将来的に食堂車が現在の姿を保ち続けられるのだろうかという危惧もあります。
慢性的な赤字を抱えるタイ国鉄が、食堂車に経費をかけるならば、その分、寝台車を連結した方が収益が高い、という計算に走らないとも限りません。
もっとも、食堂車は、車掌や鉄道警察官、寝台をセットし終えた乗客係たちがくつろぐ、もとい、待機するスペースとしても活用されており、一概に収益云々で論じられない面があるのは、ひとつの救いと言えます。
BRC.1014
冷房なし食堂車の略号が〝BRC〟


話が横道に逸れましたが、食堂車の存在がタイ国鉄の長距離列車のステータスを高めているのは間違いなく、写真を撮っておくべき被写体と言えます。
と、ここまで書き進めて、形式の話題に入る前に、タイ国鉄の客車を撮影するにあたって、幾つかのポイントを記しておいた方が良いことに気付いてしまいました。
しかし字数も押してきましたので、それは次回の講釈にて。

 


第4話

【タイ国鉄の車両を撮る】話の続きです...

駅で鉄道車両を撮ることを駅撮りと言います。駅撮りの撮影技術的なノウハウについては、プロの鉄道カメラマンの方が書かれた記事がありますので、そちらをご覧下さい。
http://s.news.mynavi.jp/series/photograph/002/index.html
ここでは少しばかりの補足などを思いつくままに書いてみたいと思います。

 

撮影方法は基本的には日本での駅撮りと変わりません。ただし、ホームの高さが日本より断然低いという違いがあります。
JRのホームは、ほぼ胸の高さ程ありますが、タイ国鉄では20cmくらいしかありません(駅にホームがある場合は)。
つまり日本での駅撮りのように姿勢を低くして列車の迫力を出そうとすると、視点が低すぎて、屋根上が全く写らない可能性があります。

日本に帰ってきてから「屋根の換気装置の数と位置が全然判らないじゃないか!」と悔しい思いをしないために、ファインダーの中で、意識して、屋根が写っているかどうか確認しながらシャッターを押すのが良いと思います。

もちろん、演出上とにかく見上げるような迫力が欲しいんだ、という場合はこの限りではありません。

BTC.1107
車体標記が写真の奥側にあると、後日、車体ナンバーを確認できない事がある。
屋根の上の換気装置の数も、0個、4個、6個などバラエティー多し。



また、車両の車体番号が大きく写るアングルで撮ることを強くお勧めします。上の写真は三等座席車のB.T.C.1000タイプの車両で、車体表記の【3】と【BTC1107】が容易に確認できるように撮りました。もし逆方向から撮ると、パソコン上で拡大表示しても自分が撮った車両が何番の車両か判らず、歯がゆい思いをする事になります。

厄介なのは、この車体番号の標記の位置が結構バラバラなことで、写真のB.T.C.1000タイプは向かって左側にありますが、紫の新塗色になったステンレス寝台車などは右側(あるいは左側)という具合です。
最も確実なのは、車体番号の部分だけをもう一枚、写真に撮っておくことです。メモを撮るより手軽で、標記のタイ文字フォントもバリエーションがあるため、数を揃えると新たな発見があることでしょう。きっちり正面から標記を撮影しておけば、後々、データをアウトライン化したり、シール用紙に印刷したりと、用途が広がりますので資料的価値がアップします(特に銘板やエンブレムの類)。

GEA.4553
エンブレムは形が正確に記録できるように正面から撮りたい。



難点は、メモリーカードの容量とバッテリー消費が倍になる事でしょうか。旅先でのバッテリー切れには注意しなければなりません(食堂車で一晩、充電するサービスを始めたら儲かるはず! 今度、提案してみるとしましょう)。


ちなみに、フアランポーン駅コンコース1階の店には、テーブルタップに20Bと張り紙してぶら下げている店がありますので、開店時間中なら充電させてくれるはずです(2015年春の話)。

 

【安全第一】 Safety First ‼︎

さて、駅での撮影において最も重要なことは、安全に、そして乗客や職員に迷惑をかけない事です。

線路を横断する時は列車が近づいてきていないか、必ず左右を確認して下さい(日本ではもちろん線路内立ち入り厳禁です)。

観光産業が重要なタイでは、鉄道写真も大いに撮って良しなのですが、駅での危険行為があれば、以後、駅構内撮影禁止の措置が取られる可能性があります(鉄道警察隊に安全意識をアピールするくらいの気持ちで左右の安全確認を!!)。

 

タイは世界随一の親日国で、日本人をたいへん好意的に見ています。そんな彼らを裏切る事のないようにしたいものです(自戒を込めて...)

 

何か大切なことを書き漏らしているような気がしてなりませんが、字数も押してきましたので、それは次回の講釈にて。


第5話

【フアランポーン駅でタイ国鉄の車両を撮る】話のその5です... 

この話題、いつまで続くんだ、という向きもあるでしょうが、書いている自分にもわかりません... 

さて、前々回では荷物車と食堂車が面白いという話をしましたので、その続きとして挙げておきたいのは、冷房無し二等座席車です。車体側面に大きく【2】と表記してあるのでわかりやすいでしょう。
BSC.106
車体の外側にはタイ文字標記しか無くても、車内のドア上の1ヶ所にはアルファベット標記がある事が多い。
 
冷房無し二等座席車は総じて、三等座席車より車歴が古いものが多く、特に内装が木造の車両では実に趣きがあります。例外的に冷房無し二等座席車には比較的製造が新し目(と言っても1970年代ですが)にB.S.C.1001、B.S.C.1002というのが居ますが、2両しか存在しないのでかなりのレア車であり、出会えたらラッキー、これもまた写真を撮っておかなければなりません。 
 
比較的製造が新し目(くどいようですが、それでも製造30年以上)の車両には、幾つかの共通した特徴があります。 
下の写真のように、窓の四隅が直角ではなく、丸く円を切ってあり、車体ナンバーは1000番より大きい番号が振られています。いわゆる軽量化鋼体客車という部類で、座席車で比較すると、それ以前の車両より車体長が1.5m程長くなっているにもかかわらず、重量は1〜2t軽くなっています。 
BTC.1349
軽量化構造の鋼体客車は、車番が1000番台で、窓の四隅が丸い。


では、これまでの話の流れからすると、これらの軽量化鋼体客車は比較的新しい部類なのでノーチェックでスルーして良いのかというと、そうはいきません。軽量化鋼体客車の大部分を占める冷房無し三等車(いわゆるB.T.C.1000タイプ)に混じって、先ほど紹介した冷房無し二等車(B.S.C.、2両)、二等・三等合造車(B.S.T.、約20両)や冷房付き三等車(A.T.C.、5両)などの、とっておきのレア車が存在するのです。
BSC.1002
丸みを帯びた小窓がズラリと並ぶ。そして車体中央寄り1/3付近の中途半端な位置にトイレ。斬新である。別区画とした座席はVIP.あるいは僧侶用としたかったのではないかと推測。


ともあれ、フアランポーン駅に居る車両を1両ずつ検分していては時間がいくらあっても足りません。ここは実に悩ましいところでもあります。 

さて、タイの地元鉄道ファンの関心は、専ら、中国製の新型ディーゼル機関車の動向や、動態保存の蒸気機関車に向っているようで、〝タイ国内最大のタイ国鉄ファンサイト〟を自負するロッファイドットコムでも、古い客車の写真の投稿はあまり盛んとは言えない状況のようです。 

では、車歴50〜60年の博物館級客車が、老体にムチ打って未だ元気に活躍する姿を
「いつ撮るか?!」 
◯◯でしょ!!」  ←(御一緒に) 
ということで、タイ国鉄の古い客車をご紹介したく思いますが字数が押してきましたので、それは次回の講釈にて。

第6話

【フアランポーン駅でタイ国鉄の車両を撮る話】の第6回です...

いずれ、他の機会に【タイ国鉄車両図鑑】を載せようと思っていますので(追記:車両図鑑のページ参照)、個々の形式の話題はそちらに譲ろうと思うのですが、さりとて、タイ国鉄の客車の全体像についての情報が無いというのも、何だか片手落ちのような気がしてきましたので、今回はその辺りをざっくりお伝えしようと思います。

タイ国鉄客車を分類するにあたっては、食堂車、荷物車、座席車、寝台車などという車両の用途や内装による分類より、まず基本的な構造から4種類に大別するのがわかりやすいかと思われます。

1. ステンレス製寝台車

ANS.1209
ステンレス車両は、どれも似ているように見えるが、よく見るとバラエティーが広い。韓国製または日本製。


上の写真はステンレス製冷房寝台車です。写真のように、屋根が台形になっているのは古い世代の車両で、その次は屋根が丸い世代、最新世代(1996年製)では丸屋根に自動ドア、という3種類に大別できます。塗色は、写真のように紫の帯を巻いたものと、ほぼ銀色のままのものが居ます。2010年前後には、窓廻りが青(二等寝台)や緑(一等寝台)の塗装車が確認されていますが、これらが全て紫塗装に改められたのか、または、まだ何処かに密かに存在するのかは定かではありません。

2. JR西日本譲渡車

ANS.205
元のステンレス帯が残されているためか、ブルートレイン時代の面影が色濃い。内装も、ほぼ元のままとの事。
ASC.201
塗色はこの写真のタイプと、上の寝台車と同様のタイプがある。青地に白帯のオリジナルカラーが現役使用されているかどうかは不明。


上の2枚の車両は、おなじみ、JR西日本から譲渡された客車です。タイ国鉄においては、JR西日本由来の寝台車(上の1枚目写真)は高い人気とステータスを保持しているようで、嬉しい限りです。
冷房二等座席車も存在し(上の2枚目写真)、外見はかなり寝台車と異なるのですが、JR西日本譲渡車という括りで、ここに含めます。

3. クイーンズランド鉄道譲渡車

BTC.607
一目でそれとわかる特異な外観。
個人的にはメロンカラーと呼びたい塗色。


上の緑の車両はオーストラリアのクイーンズランド鉄道からの譲渡、改造車両です。
在籍は21両と多くないものの、フアランポーン駅で見かける頻度が高いのは、バンコク近郊方面の普通列車に集中的に使用されているためです。
従来車よりも車長が短い割には車高が高く、ひときわ異彩を放つ車両です(仕様は全車、冷房無し三等座席車、BTC. 車番は600番台のみ)。
車端部にタイ国鉄仕様の乗降ドアを追加工事しており、元の扉は使用不可になっています。改造前の種車の運転台の有無によって、扉枚数が違うようです(写真の車両は元運転台付き仕様の電車で、片側5扉)。

なお、緑の塗装は後述の鋼製従来車にも多く用いられています。
赤紫塗装車が、普通列車から特急列車まで広く使用されているのに対して、緑塗装は普通列車に限定的に使用されているようです。

4. その他(種々の鋼体客車群)

BTC.427
見るからにレトロな風合い。
貴重である。


上の写真の赤い車両が、前回話題にした博物館級、60年選手の鋼体客車の一例です。ベルギー製のこの車両の大きな特徴は、屋根のカドが丸く、側板が寸足らずで台枠が露出している事です。
タイ国鉄客車の大半は、前述の3タイプ以外の雑多な鋼体客車で、その全てを紹介すると本が1冊書けてしまいそうです。
製造年代は1950年代から1980年代です。
主な用途別タイプとして
・冷房無し三等座席車(BTC)
・冷房無し二等座席車(BSC)
・冷房無し三等座席・荷物合造車(BTV)
・ビュフェ付き冷房無し三等座席車(BBT)
・荷物車(BFV)
・冷房無し食堂車(BRC)
・冷房食堂車(ARC)
などがあり、その他にも在籍両数は少ないながら様々な車種があります。
タイ国鉄在籍の客車の中で、最も多数派と言えるのは、冷房無し三等座席車の1000番台で、便宜的にBTC.1000タイプとしておきます。
BTC.1288
350両前後が在籍しているはずのBTC.1000タイプだが、廃車や休車が発生している模様。
油断禁物。
時間のある限り撮っておくべし。


以上、タイ国鉄の客車を4グループにざっくりと分けてみましたが、このようなバラエティーの多様さがタイ国鉄客車の面白みでもあり、また、車歴の高い車両が多いことから、できる限りの記録を残しておく事が急務であると言えるでしょう。
さて、機関車、客車と紹介し終えたところで、ディーゼルカーの存在をすっかり忘れていました。

しかし例によって、字数も押してきましたので、それは次回の講釈にて。

第7話

【フアランポーン駅でタイ国鉄を撮る話】の7回目です...
いちおう最終回のつもりです。

今回は、ディーゼルカーの話題です。
正直なところ、ディーゼルカーは、イマイチ、撮影の対象として興味をそそられません(今のところ)。
なぜなのか、自己分析してみると、タイ国鉄のディーゼルカーには、食堂車や寝台車が存在せず、客車列車に比べて旅情に欠ける点、また総じて、ディーゼルカーの列車編成は短くて、2両編成の特急が有るなど、客車列車に比べて風格に欠ける点、客車程のバラエティーがなく、趣味性に欠ける点が挙げられます。

とは言うものの、これらディーゼルカーにも、いつか引退の日が来るわけで、その頃になって、「ディーゼルエンジンの響きは味があってイイヨネ」などと言い出すことは目に見えているわけです。
そのような未来を見据えて、例え今は興味を惹かれなくても、デジカメのバッテリーが頼りなくなってきても、コンコースで荷物番をしている同行者が待ちくたびれていても、撮れるものは撮っておくべきなのです。

そもそも、客車が走ればディーゼルカーも走るというのは、のび太がどこでもドアをくぐれば、しずちゃんが入浴中であるのと同じくらいのお約束なのであって、物の道理には従うしかありません。

というわけで、前置きが長くなりましたが、下の写真はフアランポーン駅から出る最終列車、22時50分発の南本線のディーゼル特急39列車(スラータニー行き)、特急41列車(ヤラー行き)の併結列車です。
このAPD型の俊足をもってしても、終着まで16時間近く(恐らく、遅れてそれ以上)かかる旅立ちを見送ると、フアランポーン駅は、明朝4時過ぎ、続々と各方面から帰ってくる夜行列車を迎えるまで、短い眠りにつきます。
そこは、鉄道警察に職務質問などされないうちに、そそくさと駅から退散しましょう。
お疲れさまでした...

APD.2523
ライバルの長距離バスに対抗するべく、タイ国鉄が力を入れているディーゼル特急。ただし、寝台無し、食堂車無しなので、旅情や趣味対象という点では面白みに欠ける。